寮長のまなざし⑯広く届けばいいのに

公開:2025/5/8更新:2025/5/9

朝、寮生の一人がどうしても頭が痛いから休みたいといった。普段なら頭痛があっても一晩眠れば治ったとのことだが、寝ても治らなかったという。何でも課題を仕上げようと夜更かししたのが原因だった。計画的に課題を仕上げるのが理想だが、何としても課題を仕上げようとする根性は見上げたものだ。
昼食を摂ってから登校し、夕方には友達と一緒に体を動かしていた。明日は大丈夫だねと声をかけると、元気よく大丈夫と答えてくれたが、横から「心配かけんなよなあ」と友達からも声がかかった。友達は、午前中学校を休んでいたことで気を揉んでいたらしい。

夕食、私の風邪が治りかけだったので、少し離れて食事を摂っていたら、「先生も一緒にどうですか?」と声をかけてきたグループがあった。私が一人で食べているので、声をかけてくれたのだが、「風邪うつると困るから…」と言って、断った。せっかく、優しく誘ってもらったのに、風邪のバカ野郎。

夜、高1寮生と受付前で、イギリス語学研修の準備を連休中にしてきたの?と聞くと、「変圧器がいるくらいで、他の新たに用意するものがないみたい」と落ち着いた様子だった。寮生活は一種の旅のようなもので、イギリスも旅先の一つに過ぎないのであれば、なんと頼もしいことか。

本日は高校時代の同級生が知人とともに、学校見学に来てくれた。授業の雰囲気や掲示物や生徒がのびのびと学んでいる様子がどの教室からも感じられ、いろんなタイプの授業もあり、絶賛してくれた。「実際に見ることが大事」と感動を連発していた。そういえば、今年入学してくれた寮生の保護者も「片山学園のような学校に子供を入学させたい保護者はもっといると思うが出会えていない人が多い。もっと、広報活動すればいいですよ」と声もかけてくれている。

毎日、素敵なことが起こる、いい環境なのになあ。もっと、広く届けばいいのに…。