寮長のまなざし⑰カップ麺の残りはゴミ箱へ

公開:2025/5/9更新:2025/5/9

今朝ほどは、シルバーの方々から、▢階のトレイが詰まっているとか、台所のシンクの下にごみが隠してあったとの連絡があった。学生寮でもシルバー人材センターの方々に毎日3時間ずつ、寮内の清掃をお願いしているのだが、最近はカップ麺の残りを流しにそのまま流してあったということもあった。

私は高校まではカップ麺を食べたことがなく、大学時代もどんなにお金がなくてもカップ麺を食べたことがなかった。社会人の編集記者時代にどうしても時間がなくて社内のカップ麺を食べたらお腹を壊したくらい、カップ麺に免疫がなかった。最近はカップ麺を食べても平気なのは、麺の性能が上がったのか、私が鈍感になったのか、単なる暗示から抜け出せたのかわからないが、今は何ともない、というより食べ過ぎである。

小学校低学年の時は大阪の富田林の金剛団地に住んでいて隣のおばちゃんから「コカコーラは危険やで~、一気飲みして骨溶かして死んだ人がおるんやで~」とか言われて、炭酸飲料は飲んだらいけないものだった記憶がある。

私の家でさえそうだったから、中学受験をするご家庭ではカップ麺は一切禁止というご家庭も多いのではなかろうか。新入寮生の会話では「カップ麺食べたくて飲み物買わずに節約している」とも話していたので、カップ麺を食べたこともなければ、残したら流しにそのまま捨ててはだめということも知らなくて当然なのかもしれない。

そもそもごみの捨て方さえ、知らなくて当然だから、トイレに排泄物やトイレ用の紙以外は流さない方がいいことも知らなくて当然かもしれない。もっというなら、寮内でペットは現在は飼っていないが、動物のフンはトイレに流すと詰まるので流してはダメだし、猫に玉ねぎなどを食べさせるのもダメだし、人間の赤ちゃんにハチミツを食べさせるのは危険なことも教えてもらわなければ知らないはずだ。

とは言いながらも、自分も知らず知らずのうちに人に迷惑をかけたり、人を傷つけているのだろう。ヒトは誰しも完璧ではないから、学び続ける意味はあると思うが、無邪気に食べ残しを流しや便器に流されてはたまらない。社会性とは常識といわれることを知ることが第一歩なのだろうか。