寮長のまなざし52勝ち続ける経験
公開:2025/6/9更新:2025/6/10
昨日は高校総体のテニス団体戦でベスト4まで勝ち進み、本日は個人戦で3位になった報告を受けた。優勝を目指しての悔しい3位だったのか、健闘の3位だったのかわからず、帰ってきた寮生に「どっち?」と聞くと悔しそうにしていた。冷静に考えれば、大会に出るからには頂点を目指すのは当然で、愚問だったようである。
今はなき、プロレスラーのアントニオ猪木さんが、確か藤波選手との下剋上の戦いの前に、インタビューアーから、「もし負けたらどうしますか?」とマイクを向けられた際にインタビューアーをビンタし、「やる前から負けること考える馬鹿がいるかよ、馬鹿野郎」と張り倒したのを覚えている。現在が令和で話した相手も猪木さんでなかったので、私は張り倒されずに済んだが、勝負師には愚問だったことを反省した。
ずっと一緒に応援していたお父さんは「茹でダコになりましたよ」といいながら、嬉しそうに真っ赤に日焼けした様子を見せて下さった。きっと目の前での戦うわが息子を見ながら、自分だけ日陰で応援する気になれなかったのか、一緒に戦って来られたようだった。団体戦で勝ち上がることがいい経験といい思い出になってくれたのではと話して下さった。
トーナメント戦は優勝チーム以外は全チームが1回しか負けないが、勝ち上がり続ける緊張感と高揚感とヒリヒリ感は勝ち続けるからこそ、味わえるものでこの経験がここぞという時に力を発揮する礎となる。大学受験も団体戦である。3年生はこの勢いのまま、目標に挑んでほしい。
本日の朝は一部を試験的にビュッフェ形式にし、サラダを好みで摂れる形となった。全員が満足とはいかないとは思うが、選べるのは食事により能動的になるきっかけになると思う。夕食は提供時間を10分短くして、おかわりタイムを設けたが、もともとメンチカツのカレーライスだったので、おかわりをする寮生も多く、おかわりタイムの前にお腹が膨れたようで明日以降に期待である。
寮業務を減らせればと、寮生あてに送られてくる多くのDMを手渡しではなく、それぞれのメールボックスに置いて持ち出してもらえたらという話になり、以前、中学生のiPadを夜預かっていた時の棚を受付前に置いておいた。「これ何?」とか、「iPad回収するの?」と疑心暗鬼な様子だったので、聞いてきた寮生には「どうも夜中にiPadを不正利用している寮生がいるので、その寮生のiPadを預かろうと思って…」とウソをついた。自分に関係ない寮生は「ふーん」で終わるが、一部微妙な反応の寮生もおり、この悪戯は悪い大人の手本かもしれない。このケースはウソも方便とは言い難いか。