【中2理科】クリスマス実験:放射線観察キットづくり&LEDイルミネーション

公開:2023/12/28更新:2023/12/28

中学2年生では今年最後の授業で、クリスマスにちなんだ実験・実習を行いました。

1つめは、何かクリスマスプレゼントを作ろう!ということで、身の回りの放射線を観察できる「霧箱」をつくりました。

といっても、プレゼントする相手は自分です(^^;)

放射線というと、何か得体の知れない恐ろしいものというイメージがあるかもしれません。

ですが、実は放射線は身近に存在しており、生活の中で利用されています。

性質や線量について正しく理解し、正しく恐れ、正しく活かすことが大切です。

霧箱は、そんな身の回りを飛び回っている放射線が通った軌跡を見ることができる装置です。

購入すると何十万、何百万円もしてしまう高価な装置ですが、簡易的なものであれば手軽につくることができます。

まずはプラスチックのシャーレの底に黒い紙を置きます。

続いてスポンジ状のいわゆる「すきまテープ」を内壁に貼ります。このとき、1周全て貼らずに1/6ほど空けておくのがポイントです。

なんとこれで完成です!完成したら、スポンジ部分にアルコールを吹きかけます。

このあと、放射線の軌跡を見やすくする「おまじない」があるのですが、これは秘密にしておきましょう。

この装置はかなりの低温まで冷やしてあげる必要があります。

なので今回はドライアイスのブロックを下に敷き、冷却装置の代わりにしました。

さぁ、部屋を暗くして、テープの間から光を当てて観察してみましょう。

装置の真ん中から外に向かって伸びる飛行機雲のような線が、放射線が描いた軌跡です。

真ん中に置いてあるのは、アウトドアで使うランタンの中に入っているマントルと呼ばれるものの切れ端です。

昔のマントルには、トリウムという放射性物質が微量に含まれていました。

もちろん人間に害のあるほどの放射線は出ていませんが、観察しやすくなります。

マントルなどの放射線源がなくても、しばらく見つめていると自然に飛び回っている放射線を見ることができます。

立派な装置で観察することも素晴らしいですが、自分でつくった装置で自分だけの軌跡を眺める時間は格別なものがあります。

流れ星を眺めるように、時間を忘れて見つめていました。

2つめは、LEDによるイルミネーション作りです。

LEDは現代のあらゆる電化製品に欠かせないものです。その発明には、日本人も大きく関わっています。

科学の歴史や課題を学ぶことにも有効な教材です。

LEDの性質や歴史、注意点を解説したあと、プリントに描かれたクリスマスツリーの上でオリジナルのイルミネーションを製作しました。

電気の単元のはじまりということもあり、配線の使い方や、直列・並列つなぎを思い出す目的もあります。

LEDは点灯する電流の向きが決まっているため、うまく配線して手回し発電機を使うと、交互に光らせたり同時に光らせたり自由自在にコントロールできます。

この班では、発電機を逆回しすることで青・緑・白と橙・緑が交互に光るようにしました。

回路を理解すればするほど、複雑な光らせ方ができます。

この班では、直列つなぎでとにかく沢山のLEDを光らせたい!と欲張りましたが、手回し発電機がとても重くなり、はじめは光りませんでした。

最終的には発電機2台体制でなんとか光らせることができました。

なぜ重くなるのか、どれくらい重くなるのか。実体験と理論がつながる瞬間こそが、体験を通じて学ぶ価値です。

年納めの授業を楽しく行うことができました。

さぁ、来年はどんな実験を行いましょうか。今から理科教員もワクワクしています!