寮長のまなざし72七夕に願いを

公開:2025/7/1更新:2025/7/1

 寮の先生が受付前に三本の笹と短冊を用意してくれたことで、寮生が思い思いの願い事を書いている。毎年の恒例行事だと思うので、寮生は自然に短冊に願い事を書いているようで、こんな文化は他の国にもあるのかなと思いながら眺めていた。本物の笹は枯れてしまうが、ポリかプラスチックか分からないが、腐らない笹は緑色がいつまで色鮮やかなのが長所とも思う。
 その3本の笹の横で夕方、高3女子寮生が学習しており、何でも女子寮の4階まで戻ってからレストランに行くのは疲れるので、夕食までの時間を1階のロビーで過ごすのだという。学習に集中しているようだったが、ある寮生が「ニュースのチェンネル変えてもらえませんか?」と言ってきた。何でも、流れるニュースが殺人事件ばかりで気分が暗くなるとのことだった。事件は世の中に注意喚起に大切だが、もっと世界情勢や日本国内のワクワクする話題を流してもらえないものだろうか。事件ばかりが視聴率が取れると思っていると若い世代のテレビ離れはますます加速すると思う。

 寮の片づけをしていると、ブラウン管テレビがまた4台出てきたが、1台はある教員に引き取ってもらえた。何でもファミコンを使用するにはアナログ端子のある昔のテレビでないと駄目だそうで、1台分の廃棄料金が浮いた。残り3台は家電リサイクルに持ち込んだが、一台はブラウン管テレビでなく、ブラウン管モニターだから引き取れないという。リサイクル券は返金処理はできるが、廃棄は自分で問い合わせてくれとのことだった。何て面倒なと思いながらもどの方法がいいかわからず、しばらく先送りになりそうである。テレビとモニターは一見、同じなのにもっとシンプルに片付けられればと思う。
 片付けといえば、ブログで蛍光灯の取り換えの話を読んで、家で廃棄予定の蛍光灯を送って下った方がおられる。電灯が切れたら、購入予定だったので、廃棄予定であれば有難く頂戴しました。ありがとうございました。

 話を願い事に戻すが、「流れ星が流れる間に願い事を3回言えると叶う」と聞いたことがある。昔、大学院の野外活動の実習で福島県の花山キャンプ場に参加した際に、なんとか流星群と重なったこともあって、夜は驚くほどたくさんの流れ星をみることができた。だが、どの流れ星もコンマ数秒で消えるので、願い事を3回いえるような時間はなかった。きっと、この短い時間に3回言えるほど、強く願っていると願いは叶うのだろうと勝手に考えていた。
 ちなみに、余りにも流れ星の滞在時間が短かったので、私たちが咄嗟に3回繰り返せたのは、「カネ、カネ、カネ」だった。
 未だに願いはかなっていない。