寮長のまなざし70自制心の発動

公開:2025/6/30更新:2025/6/30

 昼前に学校へ行くと学校敷地内を草刈りして下さっている卒業生の保護者の方が休憩しているところで、高校体育大会が終わったというのに引き続き草刈りに来てくださって、感謝しています。名古屋の説明会にも参加して下さったので、お礼を言うと、「丸太を飲む夢はその後、見てないですか?」と話されるので、ブログを読んでくださっているのがわかったが、流石に「丸太でなく、角材です」と応えてしまった。大蛇でも丸太は飲み込まないと思うが、夢でも丸太を飲み込むことは困難だと思う。イメージとしては人間をこえてしまっているのかも。

 寮内は月末とあって、部屋チェックを行ったが、普段、足の踏み場もなかった寮室がびっくりするくらいきれいになっていた。男子ではもうちょっときれいにしようねという寮生が3名おり、なんとか足の踏み場が見えてきたところで、一旦、合格とした。女子寮生でも2名もうちょっとという寮生がおり、身の回りを整えることが極端に苦手な寮生もいる。自分も片付けが得意だったわけではないので、大きなことは言えないが、片付けにはコツがあるので、ちょっとずつでも改善できればと思う。感心したのは、4月に入寮したばかりの中学一年生が全員部屋をしっかりと整えていた。立派なことと思う。
 寮内で一気に片付けを行うので、ゴミの量は膨大で寮の外のコンポストは一杯になり、ゴミが入らず、だからといって、ごみを外に出しておくと動物があさりに来るので、玄関内に保管するほどあふれている。ペットボトルも自販機の横に山となった。

 最近は少しずつ本を読みだして、アン・ウーキョンさんの「思考の穴」という著書を読み終えたのだが、最近は認知心理学の本を読むことが多くなっている。自分が過ごしてきた「ものの考え方」は反省すべき点も学べて楽しいのだが、もう一回学び直せるなら、認知心理学を学ぶかもしれないと思うほど、この分野に触れることが気に入っている。著書の中で気になったのは、「行きすぎた自己管理は精神衛生や幸福の妨げとなるばかりか、肉体にも悪影響を及ぼす」との指摘だった。自制心が高いと、終わりのない闘いを延々と続けることで肉体に負荷がかかりすぎるとのことだった。これを防ぐには結果だけを見ずに、過程を楽しむことが必要とのことだが、自制心が高いことを良しとしなければ、学校や寮生活の意義を失ってしまう。
 部屋の片づけが苦手な生徒は自制心を発動しないことを直感的に理解しているのであれば、そら恐ろしいが…。