寮長のまなざし㉕学習姿勢は性差による?
公開:2025/5/13更新:2025/5/13
中学生の中間考査の初日が終わり、夜の全体学習の時間を迎えた。生徒の様子を見ていると、男子生徒で普段以上に疲れている様子の寮生が多いように感じた。女子生徒は最後までやり遂げる寮生が多いが、男子生徒は、特に寮生活に慣れていない中1生はあっという間に集中力が切れていた。
女子はやる気満々で、男子生徒は今ひとつという感じだった。そんな寮生の様子を見ながら性差について、感じずにはいられなかった。
私は元々は保健体育の教員だったので、高校生の保健の授業をしてきた。教科書を中心に授業を進めるが、気に入らなかったのが、男女の成長段階の体の変化は図表入りで細かく説明しているのに、男性と女性の脳が違うことにほとんど触れていないことだった。
教科書が男と女の脳の違いに触れると性差別と主張されるからとは思うが、将来、結婚生活を送るためには、自分以外の性の脳の理解を深めた方がいいと思い、授業では脳の違いについて、3時間かけて、じっくりと学んでもらった。
男性の脳は、変化に気づかない傾向があるため、パートナーが髪を切っても気づかない傾向があり、女性の脳は女性同士でも「〇〇ちゃん、髪切った、可愛い~」と盛り上がる傾向がある。男の子の部屋を保護者がちょっと片付けても、本人は片付けされたことも気づかないが、女の子はぬいぐるみの位置が少しずれただけで、部屋に誰かが入ったことに気づく傾向がある。
男の子は友達とのコミュニケーションは情報のやりとりで終わるから、少し話すと話が終わり、お母さんは、ウチの子は何も話さないとストレスがたまる。でも、女の子はあなたのことが好きですよという感情のキャッチボールをしているから、おしゃべりがなかなか終わらない。エトセトラ、エトセトラ、例を挙げるとキリがない。
脳が違うという前提があれば、相手の性の感じ方、考え方を相互理解する一助になり、これが素敵な結婚生活の元となる。結婚生活の継続にはお互いに、知識と技術が必要なのだと思う。
最近は「夫のトリセツ」や「妻のトリセツ」という本も出ているが、現在の知見から男女のコミュニケーションのズレと不満が起こる理由を知ってもらったり、どんな言葉がけが好ましいかを学んでもらった。願わくば、将来、素敵なパートナーと出会い、いい結婚生活を送ってもらいたいと思う。
さて、寮生である。男子と女子の違いはあるが、どちらの性でも、やる気のスイッチが早く入った方が、より素敵な人生を送られると思う。ここが、「やる気のスイッチ」ですよとボタンが見えてくれればいいのだが…。