寮長のまなざし㉔徹夜はおすすめできないが

公開:2025/5/13更新:2025/5/13

高校生の中間考査が始まり、中学生は明日からとなる。午後からの学習時間中には片山愛子副理事長から、寮生へお菓子の差し入れをいただいた。15時に放送をかけるとあっという間に寮生が受付に集まり、乾いた脳に糖分補給ができたようだった。
そんな日ではあるが、高校生の一人が、スマホを階段で落とし、破損して使えなくなったと受付の電話から保護者へ連絡していた。

驚いたのは、「今は考査期間中でスマホをあまり使わなくていいから、しばらくたってから修理をお願いしたい」と連絡していたことだった。彼は一時もスマホを手放すことができないタイプと聞いていたので「しばらくなくていい」と発言していることに成長を感じた。

受付では、「これは神のおぼしめしだから、このあと卒業までスマホなして生活してはどうか」と話したが、さすがにそれには同意できなかったようだった。私の親友が勤務している学校では、スマホをわざと白黒の画面にして、スマホへの関心を下げる工夫をしていた生徒もいたと教えてくれた。スマホをいかに使わないか、いかに付き合うかは、大学受験を控える身には死活問題である。

中学1年生にははじめての考査である。学習の状況が良くなっている寮生もおり、努力が成果として出てくれればいいなと思う。

私が中学2年生の時の担任は強烈な女性教師だった。考査の前の言葉を未だに覚えており、「あんたたちね、試験の前に一夜漬けは意味ないっていうけど、普段勉強していない生徒はテスト前ぐらい一夜漬けでもいいから、死に物狂いで勉強したらどうや」と熱弁を奮う教師だった。私の友人はその言葉を真に受けて徹夜したようだが、その友人は母親に「あんたが徹夜をすると2、3日ぼっーとしているから、しない方がいい」と止められた話も覚えている。

計画的に学習を進めて、規則正しい生活をし、睡眠をしっかり取るのが理想ではあるが、私も試験勉強が間に合わず、気が付けば夜が明けても範囲が終わらなかったという経験は何度もしている。高校時代には徹夜後に試験を受けて、午後から部活動という鬼畜なスケジュールも体験している。その繰り返しで自分の限界がどこかを学んだようにも思う。

徹夜を勧める訳ではないが、目の前の関門にそれぞれのベストを尽くしてほしい。