寮長のまなざし⑩音楽は一瞬の刹那
公開:2025/4/30更新:2025/4/30
本日は吹奏楽部の定期演奏会が開催された。寮生の移動や夕食の取り置き、中学生の学習時間の調整など、寮にとっては手間が増える行事であるが、例年以上に思いが表現された演奏会だったように思う。私自身は音楽はまったくだめで、このグローブのような掌は、空手チョップには有効だが、楽器にはヒットしそうにない。
特に第二部は、音を楽しむ表現方法を違う切り口からという感じで、構成も工夫がされていた。なので、演奏後に通学生で保護者の迎えを待つために寮に来ていた吹奏楽部生に第二部は誰が考えるの?と聞くと、元気に「ハイ!私です」と手を挙げ、「仕上げるのに半年かかりました!」と嬉しそうに話していた。また、部長が最後の言葉で「意志を持つ、意思を伝える」との言葉通り、音楽のわからない私にも音楽の楽しさが伝わり、ワクワクした演奏会であった。
顧問の石川先生が以前の合唱コンクールの講評で、「音楽は一瞬の刹那。今この瞬間が二度とないからこそ、全力で音を奏でる」というニュアンスで話していたのがすごく印象に残っており、まさに一瞬の刹那の連続であったと感じた。音楽って素敵だな、皆で音を奏でるっていいなと存分に感じることができた。
演奏会を鑑賞しながら、自分自身で感じていたことがある。高校3年生、2年生は授業を担当していたこともあり、全員の様子がわかる。だから、自分がよく知っている高3や高2ばかりを見るかと思っていたが、自分の視線が寮生の姿ばかりを追いかけていることに気づいた。まさに寮長のまなざしだった。きっと、保護者の方々は自分の子供ばかりをずっと見ているんだろうなと思いながら、自分も寮長になりつつあると感じた次第。
吹奏楽部には中学1年生が5人入部したと聞いた。今後、それぞれがどんな楽器を奏でるか分からないが、より一瞬の刹那を高める道を邁進してほしい。