寮長のまなざし67食べる幸せ
公開:2025/6/25更新:2025/6/25
期末考査2日目である。考査の日とあって、いつもよりかなり早く登校する寮生もいれば、相変わらずの1分前登校の寮生もおり、それぞれである。
昼で学校が終わったあとも、自室等で学習する寮生も多く、お腹も減っているのか、夕食時間には早い段階で食事を摂る寮生が多かった。グループでお喋りしながら食事を摂ったり、一人で黙々と食べている寮生もいたが、ほんの数年前は向かい合って食事ができずにいたのだから、当たり前の毎日を過ごせることに、日常が戻っていることに感謝せねばならない。また、思い思いに食事を摂る様子を見ながら、「食べる」という行為は素敵だなと感じてしまった。
ワタミグループの渡邉さんは学生時代に世界を旅をして、世界中どこに行っても、ヒトとヒトが食事を囲んで食べることが幸せなことで、幸せを提供したいとの思いで外食産業に参入することを決めたと氏の半生を描いた「青年社長」で読んだ記憶がある。そういえば、大事な商談をするときは会食を伴うことも多く、美味しい食事を摂った相手と諍いになりにくいともいう。
ふだんの夜の中学生の全体学習では開始5分前には誰もいなくて、2、3分前にぞろぞろと入ってきて、中には数秒前に滑り込むという寮生もいる。のに、本日は30分前に顔を出すと、すでに中3男子が1人、中1女子が4人も勉強していた。考査が学びを高めるのであれは、毎日考査をしてくれてもいいのだが。
オーストラリアのドロマナからの留学生が寮に泊まる予定なので、ゲストルームのカーテンを洗ったが、一番困ったのは、一度外したカーテンを付けるのが大変なことだった。なぜ、大変かというと年々視力が悪くなるため、カーテンレールの輪っかに引っ掛けることができなくて、できないことはなかなかのストレスになるものである。
食事後には高1女子寮生がたまたま受付に来た時に愛知県のニュースが流れて、「あっ、愛知県のニュース」と近づいてきたが、地元愛知のいいニュースではなかったので、ちょっと残念そうだった。ニュースが切り替わり、アメリカのトランプ大統領が画面に出てきて、ほかの寮生が「武島先生、トランプさんに似てませんか?」と言ってきたので、「それはいい意味でいっているのか、それとも…」という話にもなった。
生徒に誰かと似ていると容姿のことを話すと嬉しいと感じるかショックと感じるかは本人が似ている人をどう感じているかで変わってくる。私からみたら、すごく素敵な人と似ていて、いいなあとほめたつもりが、全然嬉しい反応でないということは昔あったので、あまり容姿のことはいわないようにしている。が、口はときどきすべる。目はどんどん見えにくくなるが。