寮長のまなざし105真夏の風邪

公開:2025/9/3更新:2025/9/3

 夏休み明けというのに、酷暑も続いている。寮生の疲れが出てきたのか、体調を少し崩す生徒もちらほら出てきた。学校内でもコロナ罹患の話を聞くので、寮生がのどがちょっと痛いと言ったり、体調が悪いと言ってくると、ドキドキしてしまう。

 昔から風邪は万病の元と言われ、風邪をひくこと忌み嫌っていたようだが、風邪をひくことで、新たなウイルスの免疫を獲得するわけだがら、ほどほどの風邪をひいて治ると、パワーアップしたことになる。昔の人は風邪ひきを避けたようだが、本当は風邪をひくことによって、身体はどんどん強くなっていくのではないかさえ思う。
 風邪をひいた時には風呂上がりで体が冷えるから風呂は入らないほうがいいと聞いていたが、最近はほどほどの風邪であれば湯船に浸かり、身体を温めた方がいいといわれている。

 風邪以外でも親には卵は一日一個までと言われ続けてきた。食べ過ぎるとコレステロールが高くなると聞かされていたが、最近は卵の摂取と血中のコレステロールには相関がないことが証明されており、何個食べてもいいとなった。といっても、食べ過ぎはおなかを壊すと思うが、食べ物や栄養については、エビデンスなく、流布している話も多いようだ。

 今年入寮した寮生の保護者から、寮生がコロナ罹患の際はどんな対応になりますか?と問い合わせがあったので、現状を書き記しておきたい。
 学生寮は医療機関でもなければ、医療の専門スタッフがいるわけでも、専門の設備があるわけでもない。できるかぎりの感染対策をとっても、医療機関のような水準で対応することは難しく、感染拡大を防ぐために、罹患者には申し訳ないが、帰省してもらうという方法を取っている。日本の中には感染症になっても、隔離し、きちんと静養設備のある学生寮もあるようだが、残念ながら本学ではそこまでの対応が難しい。
 以前はコロナ罹患と同時に、学生寮まで保護者に迎えに来てほしいとお願いしていた時期もあったそうだが、最近は高熱でない限りは富山駅まで担当者が送り、富山駅から最寄り駅まで自分で移動してもらって、自宅の最寄り駅には保護者に迎えに来てもらうようにお願いしている。

 前半で風邪によって、身体もパワーアップと書いたが、コロナやインフルエンザは高熱を伴い、命の危険もあるので、できる限り罹患しない方がいいとは思う。この夏の暑さといい、コロナといい、人間を成長させるのではなく、ダメージを与えようとしているかのように感じてしまう。