寮長のまなざし104ペットボトルはもう古い

公開:2025/9/3更新:2025/9/3

 寮内の規律を高めたいため、寮生生徒会のメンバーに集まってもらい、素案についての意見交換をした。
 夕食のおかわりタイムでフェイントをする人がいて、不公平な状況という投げかけから、消灯時間後にランドリーやお風呂を使いたいとの意見や、高校3年生だけ、自習室の使用時間を1時間程度の延長を認めてもいいのではや、その意見に対して、消灯時間後にどうしても学習したいくらい切羽詰まっているのであれば、自室でもできるのはないかという反論など、忌憚のない意見を聞くことができた。
 寮生全員の意見を聞くために、クラスルームのアンケートで意見を聞いてみると同時に、運用についてはもう少し検討を続けるということとなった。
 朝早起きして活動すればほとんどの問題は解決するそうだが、そんな風に気づけたのもぎりぎりで過ごした中学時代をを経たから言えるそうで、中学から規律ある生活を送るメリットを熱弁してくれる寮生もいた。

 自分自身も夜更かしや徹夜をしながら、課題を何とかしのいでいた高校時代だったので、睡眠をしっかりとって、脳を育てるとか、いい習慣を持つという生活をしていれば、未来も大きく変わったかもと思うこともある。中高生期にいい習慣を持つことは未来へのプレゼントになるので、関わりのある寮生にはそのプレゼントを贈りたいとも思う。

 私の中高時代はいっこうに上手くはならなかったが、野球に取り組んでいたので、土日はほとんど一日練習試合だし、普段も遅くまで練習をし、練習を休めるのは考査期間中くらいだった。雨でグラウンドが使えなければ、練習の強度が落ちていた記憶もある。今から思えば、あんな中でよく生活していたと思うが、当時がそれが当たり前で、部活動引退後の虚無感は半端でなかった。

 ドイツからの留学生と話し込んだ寮生によると、ドイツでは環境に負荷がかかるので、ペットボトルはほとんど飲まないそうである。ごみ袋もポリやビニールは使わずに紙袋に入れ、環境への負荷を減らすことについてはずいぶん進んでいるそうだ。他の寮の先生が指摘していたのだが、オーストラリアのドロマナの生徒もペットボトルを持っている生徒は皆無でみんな缶ジュースだったそうである。環境負荷に関して意識している人にとっては、ペットボトルを使用しまくる日本の状況はクレイジーとまではいかないが、「おくれてる」状況のようである。プラスチックのストローを使用しない動きが世界的には広がったが、ペットボトルの使用を控えるムーブメントは日本ではいつか発生するのだろうか。