寮長のまなざし92いい湯だな➁帰省
公開:2025/8/3更新:2025/8/3
寮祭の中で、もっともすばらしいと思えたのは、片付けの時間にどの寮生も率先して片付けに取り組んでくれたことだった。だから、あっという間に片付けもきれいに終わった。花火や焚火の始末もきれいにできていた。何か手伝うことないですか、と聞いてくる寮生もおり、やればできると一瞬思ったが、冷静に考えれば、8割の寮生はしっかりとできており、ルール違反や時間を守れないのは残りの2割に変わりがないようだった。ここでもパレートの法則が存在している。
寮祭の翌日は終業式となり、HRや掃除などを終えた13時以降、帰省できると寮生、保護者に伝えている。にも関わらず、掃除や最後のHRに出ずに早退して寮に戻ってくる寮生がいる。早退せずに、帰省するルールなのだが、ルールを守ることに対する意識が低い寮生はここでも自分本位で動くことになる。よくよく考えると、終礼後に富山駅行きのバスに乗ると、通学生満載のバスにスーツケースを抱えて同時に乗ることとなり、通学生に迷惑をかけているという意識も働くとも聞いた。かといって、通学生の帰宅後のバスになると家に帰るのがさらに遅くなり、一刻も早く帰省したい寮生は悩むことになる。大方の寮生は終礼までしっかりと出席した上で帰省しているのだが、いい手立てはないものか。
一気に帰省の寮生が動くが、毎回困るのは出発直前に出金してほしいとの依頼である。出発直前には対応できないこともあるから、前日に行っておくようにと散々話しても、自分一人ぐらいはという意識が抜けないようである。自分一人が二人、三人と増えると受付は機能不全になりかねなく、出金だけではなく鍵を預かったり、部屋チェックが合格していない寮生に声をかけたり、バス時間の出発間際はてんやわんやとなる。といいながらも、私は学校で職員全体会議に参加していたため、生徒の帰省の送り出しに立ち会うことはできなかったが。
高3生は模擬試験のため、2日遅れの帰省となるが、それ以外の寮生はみな嬉しそうに帰省の旅路についたそうだ。とっくに各家庭で家族といい時間を過ごしていることと思うが、家族から離れて寮生活を頑張っているので、たっぷりとくつろいで、たっぷりとおいしいものを食べて過ごしてもらえればと思う。
ただ、あまりに充実した時間を家族と過ごすと、寮に戻りたくないと泣き出すかもしれないので、いいバランスでお願いします。といっているうちにいい湯だなの話が書けなくなったので、次回こそ。