寮長のまなざし90二段ベットは何のため
公開:2025/7/24更新:2025/7/24
2学期から入寮を検討しているという生徒の保護者が寮の見学に来て下さった。通学時間が長いので寮に入れば時間をより有効活用できるのではないかとのことだった。寮に入れば自分の時間が増え、みるみる成績が上がったとなれば、入寮者が殺到することと思うが、寮内の整備と生徒指導のモグラたたきをする毎日でまだまだ寮生の生活指導や学習のサポートが万全かといえば、道半ばである。加えて、学校の課題未提出者に寮生がそれなりにいることがわかって、折角の全体学習時間も有効利用できていないことがあからさまとなった。
一部の寮生はiPadで学習している様子ではあったが、そんな生徒に限って、課題の提出率が悪い状況とわかった。なので、2学期からは課題提出ができていない寮生は全体学習中のiPadの使用を禁止することとした。内心、全員禁止にしたいところだったが、きちんとコントロールできている生徒にとっては便利なツールであることも事実なので、一つの妥協点とした。
寮内整備も着々と進み、それなりの量の廃棄物を出す倉庫は残すところ2つとなった。と同時に、家具の破損等で使用できない寮室も順次整備して、部屋数に余裕ができるようにしている最中なのだが、男子寮の一部には二段ベットのある部屋があり、壊れた家具や過去の入試問題の置き場として倉庫の様相だった。この二段ベットの部屋の整備に力を入れ、使用可能にして寝泊まりできる状況にまですることができた。部屋は8部屋あるので、最大16人まで素泊まりが可能となる。そもそもどんな理由で二段ベットの部屋を作ったか分からないが、隣同士の部屋はアコーディオンカーテンで仕切られているので、厳密には2部屋に4人泊まることができ、それが4セットもある。一部の男子寮生は二段ベットの部屋を見て興奮していたが、お泊り会をするか、オイタをした寮生の隔離部屋にするか、折角なので謎の部屋だが、何らかの形で使用できればいいとは思う。
相も変わらず、昼休みに忘れものを部屋に取りに行かせてくれとか、部活動前に部の道具を取りに来たりと事前準備をするように伝えても、同じことの繰り返しである。いっそうのこと、寮に鍵を閉めて、一切対応しなければ、寮室には戻れないのだが、急病で寮生を病院に連れていけば、鍵を開ける人はいなくなる。こんな事態は起こりうることだが、そんな心配するそぶりはちっともうかがえない。もっと不自由がいいかな。