寮長のまなざし87選挙の別の見方
公開:2025/7/21更新:2025/7/21
参議院選挙の富山選挙区はまれにみる接戦となった。寮生の中でもすでに誕生日を迎えている高校3年生ならば、選挙権があるはずだが、選挙権の行使はしたのだろうか。学校現場では政治を語ることは憚れるので、特定の政党や政治について話すことはないが、高校の保健の授業の時は、「政治の力」についてちょっと話をしたことがある。政治には力があって、国民全員に3万円配ると決定すれば、本当に配れるし、16歳から車の運転がOKと決まれば、実際に可能となる。個人的には他の国のようにSNSをある年齢以下は使用禁止という法律を施行してほしいが。
地方紙ではあるが、町長選挙の取材をしたこともあり、選挙のあれこれを聞いたことがあるので、ちょっとだけ選挙の別の見方を紹介したい。
テレビで当選者が万歳する場面があるが、あの万歳は手のひらを前に向けてはダメで、手のひらが向かい合うよう手を挙げるのが正しいらしい。手のひらを前に向けての万歳はお手上げの万歳で意味が違うらしく、加えて、当選者も一緒になって万歳しているケースもあるが、本当は当選者は周りが万歳している間に頭を下げるのが正しいそうだ。全国各地の当選者の中継を見ながら、ここはきちんとできている、ここはできないという視点で中継を観ている人は少ないだろう。
富山市の開票場は体育館などの大きい会場で公開して行われているが、各陣営の人は観覧席から双眼鏡で自分の陣営の票が何票あるか細かくウオッチして、選挙事務所に逐一報告しているので、実は選挙事務所では選挙管理委員会の発表前に状況を把握していることとなる。なので、テレビを見ているより早く事務所は当落を実は把握している。
20年前、石川県の能登半島のある町で町長選挙が行われた。町長派と反町長派の激戦で、投票の前日に、お互いの選挙事務所で「票読みでは勝っている」と主張し、互いに万歳をしていた。なんでこんなことが起こるかというと、勝ち馬に乗る人を巻き込みたいからで、浮動票の動きが左右するほどの接戦だったのも影響していた。
選挙のプロの票読みは正確で、あの地域は〇票、この地域は〇票という票読みはほとんど正確で、読めないのは街中の無党派層の動向らしく、それでも選挙の様子で投票率の〇%という読みで得票をピタリと的中させていた。
選挙の素人の私でも、投票率が低ければ組織票をあるところが強く、投票率が高くなれば、無党派層が投票行動が影響することはわかる。
いずれにせよ、衆院選、参院選の毎回の投票率と市町村ごとの得票数を分析すれば、県民の投票行動の推移を分析することができる。
探究活動でそんな分析を試みるのも興味深いと思うのだが。