寮長のまなざし85地球沸騰化

公開:2025/7/17更新:2025/7/17

 ある寮の先生のもとには毎年静岡からトウモロコシが送られてくるそうだが、今年のものは昨年と比べて甘みがなかったそうだ。例年より暑いため、甘みを増す前にトウモロコシが大きくなってしまい、一週間程度収穫を早めなければならなかったためらしい。酷暑の影響はじわじわと日本の作物にも影響を与えている。因みにトウモロコシのひげの数がそのままトウモロコシの粒の数なのは有名な話で食べる時は皮をつけたままラップで包み、600Wで約6分温めると茹でたのと変わらぬ出来栄えで食べることができる。

 一回前の米不足の時は、冷夏でコメが取れずにタイ米やカリフォルニア米が緊急輸入された記憶がある。あの時は、日本の米のほとんどがササニシキでこの品種は冷夏には弱く、この年以来、ササニシキの作付けが激減したと聞く。すし米としては相性はいいそうだが、流石に実がならない米を作付けするのはリスクも高いのだろう。
 この暑さで、バナナなど、南国でしか取れなかった作物の作付が増えたりするのは、やも得ないと思うが、感染症を媒介する蚊の異常発生は勘弁してほしい。

 本日、高2、高3合宿から寮へ戻ってきた。寮生に話を聞くと通学生は「友達とお泊り」というワクワク感があるそうだが、寮生にとってはそれが日常なので、ワクワク感はなかったそうである。立山青少年の家は天然のクーラーがあるので、部屋にクーラーはなく、暑くてなかなか寝付けなった生徒もいたらしい。

 イギリス語学研修の高校一年生の一行は明後日帰国するが、現地の話ではイギリスらしくなく、涼しくなく「暑い」そうである。日本並みに暑いらしく、イギリスといえば、ベント草などの芝生の緑色が色鮮やかで涼を誘うが、暑すぎて公園の芝生が枯れ、枯草の荒れ地のようになっているという。イギリスは日本の北海道のさらに北のサハリンと同じくらいの緯度のはずだが、ヒースローでも40度の気温も記録したという。

 太陽の黒点活動の影響か、地球温暖化の影響かわからないが、この太陽は北風と太陽の穏やかな日差しではなく、私たち人間にダメージを与えようとしているレベルの日差しである。温暖化という生やさしい表現でなく、「地球沸騰化」という表現も言われているが、本当に沸騰すると我々人類は生存の危機を迎えることとなる。