寮長のまなざし81イギリスで医師する卒業生➁
公開:2025/7/13更新:2025/7/13
寮生が中学剣道の県大会に出場したり、硬式テニスの大会に参加したり、週末は寮生の外への動きも慌ただしい。夕食時に結果を聞くと、「僕は本番には弱い」と弱弱しく話していたので、「時間を守る意識を持ったり、身の回りを整えるだけでプレースタイルも変わっていくよ」と話すと、今まで消灯時に受付にスマホを預けるのが人任せだったのが、自分で持って来ていた。少しでも変えようと努力をし始めてくれたならば、嬉しい限りだが。
週末とあって、保護者の方の来寮も多く、「そういえば、顔のあたりがスッキリとされましたね」とブログを読んで下さる方はホットな話題で声をかけて下さる。冷静に考えれば、100キロ超えている人間は、0.1トンあるわけで、そんな人間がやせたというものおこがましく、この話題は100キロを下回った時に次は書こうと思うが、その時はやせたというより病気になっていないことを祈らねばならない。
さて、イギリスで医師をしている卒業生の続きである。彼によると、衛生面や、食事のおいしさなど、彼は日本がいい国だと海外で過ごしてよくわかったという。イギリスはNHSという組織が、国内の医療者数や専門医の数をコントロールしており、また、海外からの医療従事者を積極的に受け入れているため、イギリス生まれでイギリスの大学を卒業しても病院勤務ができない人がいるほどで、海外の医療従事者を減らす動きが始まっているらしい。特に、インドやパキスタンの医師が多いが、イギリスは海外医療従事者に医療を担っているので、制限をかけると、現状の医療も立ち行かなくなる可能性があり、変えるのは簡単ではないらしい。
NHSがイギリス全土の医療従事者の雇い主になるそうだが、NHSが脳外科医などの専門医の人数を決めており、特に脳神経外科医は数人の枠に、百人以上応募があり、競争の激しい世界になっているらしい。
日本の医療従事者が身を削ってという表現を前回書いたが、彼は日本では一週間以上の年休を取れたことがなかったが、イギリスでは一年目から2週間の年休が取れて、イギリスで医師として働き始めてひと区切りという感覚で、約13年ぶりに母校に顔を出してくれた。来週の金曜日にイギリスに戻るので本校の語学研修の一行とは行き違いになるが、戻るとすぐ、ストライキになり、金曜朝から水曜日まで病院の機能がイギリス全土で止まるそうだ。これも、イギリス全土の医療従事者にストライキに賛成か反対かの意思表示の案内があり、集約したところ、ストライキに賛成が過半数を超えたので、決行になったそうである。イギリスでも医療従事者の給与は仕事の負荷の割に低いという認識らしい。まだ、続きます。