寮長のまなざし61肉食だけ生きていく

公開:2025/6/19更新:2025/6/19

 本日の夕食はチキン南蛮。予想通り、お替りタイムは盛況で、あっという間にお替わりが無くなった。残食が減り、寮生のお腹が少しでも膨れればWin-winである。

 昨日の夕食で男子寮生が、「肉だけ食べて生きていくことはできるのですか」と聞いてきた。隣の寮生が野菜を全然食べずに、「オレは肉だけ…」と話していたようだった。その時は咄嗟に「生きていけるよ」と応えてしまった。バランスよく食事を摂ることをすすめるべきではあるが、現実にイヌイットはアザラシの肉が食事の中心で、野菜をほとんど摂らなくても生きていることを思い出したからだ。厳密にはアザラシの肉は魚と同じように特別な肉なので牛豚鶏の肉だけで生きていくのは難しいらしいが。

 サバンナなどに生息する肉食動物は草食動物を狩ると、まずは腸を優先的に食べると聞いたことがある。肉食動物は草食動物の腸を食べて不足している栄養を取っているという話だが、別の見解では歯並びが必要な栄養の割合を聞いたこともある。これは肉食動物は犬歯ばかりだから、肉ばかりで大丈夫だし、草食動物は臼歯ばかりだから草を中心が身体に合うという。人間は犬歯と臼歯が混ざっているので雑食らしいが、歯並びの割合で肉や野菜を食べるのがいいという。とは言いながら、長寿の方に長生きのコツをインタビューすると肉が大好きで毎日食べると複数の人が応えていたのを観たこともある。

 特別な食事のケースでは、フルーツだけ食べて生活している人がいるという。中野瑞樹さんは15年間、フルーツだけ食べて生きており、現在も継続中である。ヒトはフルーツだけ食べて生きていけるかと疑問に思い、自分で人体実験している最中とのことだ。普通に考えると水分は十分だが、果糖の摂取が多く、栄養が偏り過ぎるのではないかと思うが、現在もスリムな健康体のままとのことである。昔から、「リンゴが赤くなれば、医者が青くなる」と言ったり、「リンゴは病知らず」とも言い、リンゴの万能ぶりは聞いたことがあるが、フルーツだけ食べて生きていけるかと疑問に思い、実践をし続けているのは大したものだ。

 だからといって、寮生には「ヒトは肉だけ食べて生きていけるか」というテーマは試すことなく、雑食生活を全うしてほしいと思う。