寮長のまなざし59無理はご法度だが…
公開:2025/6/17更新:2025/6/17
小学生:本日は初等科の6年生が学校に来てくれ、レストランの昼食体験も行った。受付前にいると元気にあいさつしてくれる児童ばかりで、今から来年の入学が楽しみである。
中学生:昼には北陸銀行さんから以前学校に寄贈していただいたモニターを寮の受付前で使おうということになり、学校から移動してきてiPadから出力しようとしたが、結局うまくいかず、寮生にニュースをみせる試みはお預けとなった。寮生と話をしていると、インドで旅客機が墜落し、240人が亡くなったことも、イスラエルとイランで空爆が始まったことも、中にはお米の値段が上がって備蓄米を放出していることさえ知らない寮生もいた。どんなニュースを知っているかと聞くと「デヴィー夫人が書類送検された」と応え、そんなニュースは私が把握していなかった。日本のメディアだけでは世界の情勢を的確に分析はできないが、せめて日本国内で多く流れているニュースくらいには触れてほしいと思う。
中学生:消灯時間にある男子寮生が「期末考査が近いからスマホだけではななく、ipadも預かってほしい」と持ってきた。少しでもICT機器を遠ざけ、自分を律する姿勢は立派なことと思う。
高校生:今朝は体育大会の疲れのためか、高校生で不調を訴える寮生もチラホラとおり、少し寂しい朝となった。本人は体調不良で辛いことと思うが、送り出す側も寮生が元気に学校に行けないことに憂鬱さを感じてしまう。顔つきを見れば、昨日より生気が戻った様子をうかがえたり、本調子でないことが見え隠れする寮生もいるが、中には行けるんじゃないの?という顔つきの寮生もいる。最近は、ちょっとでも調子が悪いと無理させない風潮になっており、昭和の人間としては「脳に楽を覚えさせて将来大丈夫なの?」と感じてしまう。ちょっと調子悪いけど、できるところまで頑張ってみる根性でいてくれればなあと思ってしまう。
昔の大学院の同級生が顔の表情を作るのは目か口かという研究をし、赤ちゃんをあやす時の反応で、目と口のどちらに反応するか調べたことがあった。その時は口に反応して「目は口ほどにものをいう」の逆という研究だった記憶がある。東洋と西洋でも表情の着眼点が違うため、マスクをして口の動きを隠す文化と、サングラスをして目の動きを隠す文化の違いがあると聞いたこともある。
寮生:身体の状態を一番知るのはそれぞれ自分自身だと思うので、決しては無理してほしくないが、できるなら休みたがる脳に負けない心を育んでほしいと思う。