寮長のまなざし㊾寮長は「マグル」
公開:2025/6/7更新:2025/6/7
中学3年生と面談をしたときに学習時間に教え合いの時間を設けてほしい要望があったので、本日、早速「教え合いタイム」というのを設けてみた。通常は20時から20時55分まで前半の学習、21時05分から22時までの後半の学習時間でチューターに質問できるものの、中学生は学習室に全員集まって、黙習である。この後半の最後の21時30分から22時までを試験的に教え合いタイムにして、教えたい人は別室へ行き、教え合うというものにした。
男子寮生の半分以上は別室へ行き、女子寮生はほとんど別室へ行かなかった。特に中1男子寮生はこぞって別室へ行ったのも興味深かった。
学習時間後には高校の男子寮生の部屋へ行った。朝の点呼にもずっと来ていないし、寮に来てもらっている家庭教師の人を2回続けて待たせるという時間にルーズな状態から脱却させねばと直接本人にも思いも聞きたかったからだ。遅刻や点呼遅れは法を犯したり、人を肉体的に傷つけてはいないが、時間やルールを守れないまま、社会に出ると自分の信用や信頼を損ねる原因となって、自分が損することになる。せっかく寮生活をしているので、いい習慣を身に付けて卒業してもらいたいので、現状が続いてはいけないという内容を伝えた。
本人は、寮の点呼には行けていないが、学校は遅刻していないと言い出したので、寮の点呼をないがしろにするのであれば、これ以上寮に居てもらうわけにもいかないよと話すことになった。本人の意識と感覚を知りたかったので、思いを聞いたが、もう少し話しを聞きたかったところで、突然、同じフロアから「あーーーーーーーーー」という絶叫が聞こえてきたので、そちらへ馳せ参じることとなった。もうすぐ消灯だというのに寮内で絶叫するとは…。
絶叫した寮生は別のフロアへ行ったので、情報を集めると、彼以外にもう一人、絶叫しがちな寮生がいるという。なんとこの寮にはどこかに絶叫マシンが隠されているらしい。戻ってきた寮生に絶叫の理由を聞くとたわいもないことだったので、今後気に付けるように話したが、まだまだ不思議なことが起こり続けている。
もっと探せば、回転木馬やメリーゴーランドや落とし穴も出現するかもしれない。夜更かしするとゴブレットが暗い廊下を歩いているかもしれない。
寮生は不思議に慣れているかもしれないが、「マグル」の私にはまだ刺激が多すぎる。秘密の部屋のありかは知っているが。