寮長のまなざし㉜人生万事塞翁が馬
公開:2025/5/20更新:2025/5/21
今朝、寮生の保護者の方が土曜日に富山駅に置いてきたカバンを寮まで持って来てくださった。近くに住んでいるからと富山駅や南富山駅に問い合わせていただき、城川原駅に保管してあることがわかって、わざわざ取りに行って下さった。見つからないかもと思いつつも、もし見つかったとしても、彼や彼らにもう一度富山駅近辺に向かわせるのは危険だなと思っていたので、動いて下さって、助かりました。ありがとうございました。芦峅寺駅に置いてきた上着も寮生がサイクリングがてら取りに行くと、保管してあったそうで、忘れ物が無くならず、戻ってくることにこの国の成熟度の高さを感じた。
今朝自宅へ戻ったが、ツバメの巣にツバメがいないことに気づいた。数年前に作られた巣がそのままで使えるのだが、ツバメがいる様子がなかった。これで2年連続である。ツバメの巣は天敵の蛇に襲われないように人の気配がするところに巣を作るらしい。だから、普段使いしていない我が家にはツバメも寄り付かなくなったようで、廃墟化が進んでいるのをツバメも気づいているようだった。
ツバメの巣ですごいと思ったのが、巣の真下にフンを落とすことで、フンめがけて虫が集まっており、それがツバメのエサになっていたので、この循環が意図的ならばよくできた仕組みだと思う。
寮生が「ごちそうさまでした」と挨拶している話をしていると、彼女だけでなく、多くの寮生がしっかり感謝のあいさつができているという話になった。素敵な生徒が多いなという話題になった。
ブログでは、素敵な生徒という表現にしており、「いい生徒」とか「いい子」という表現をわざと避けている。大学院時代のメンタルヘルスの授業で、通称「いい子」はAタイプ特性があり、自己抑制型、自己肯定感が低いなどのシンボル的な表現だった。聞き分けの「いい子」は手がかからないため、「いい子」なのだが、自己抑制型でヒトの目を気にするため、強いストレスを感じやすいとされた。自分自身がずっと「いい子」だったことを自覚し、それまでの生活にドンピシャであてはまって愕然とした記憶がある。その後、ストレスコントロールなどを学んだが、もっと早く知っていれば、違う人生だったかもしれない。
いい人は早く亡くなり、憎まれっ子、世に憚ると言われる。いい人はストレスを強く感じるため、死期が早く、憎まれっ子は自由奔放でストレスが少ないから、憚れるのではと考えていた。Aタイプ特性の私自身が、大学院でメンタルヘルスに出会わずに、あのまま「いい子」でいたら、ツバメの巣に気づくこともなければ、寮生との刺激的な日々もなかったかもしれない。人生万事塞翁が馬。