寮長のまなざし㉚信じ難し

公開:2025/5/18更新:2025/5/19

週末は寮生の保護者の方々も送迎等で多数お見えになり、その都度、ブログの話題をしてくださった。
ペットのフンを流していたので、役所に問い合わせて確認してみたとか、同じ本を読んでいましたとか、新聞記者時代の穴水町の近隣市町村で過ごしていたとか、高校の母校の何期下とか、中には、ブログをいつも読んでいると言ってくれる寮生もいた。ペットのフンの件は市町村によっては流してもいいところもあるようで、ウラを取らずに記憶で書き留めるのはブログの気安さではあるが、気を付けなければならない。

本日は育英センターのCM撮影があり、寮生の5人が参加してくれた。CM撮影の現場をモデルとして体験できる機会はそんなにないので、たくさんの照明やカメラに囲まれながら、何百カットと撮影する仕事現場に身を置いたことが財産になったことと思う。育英センターの担当者からも、「寮生がみんな礼儀正しくて…」とたっぷりとほめてもらい、たった数秒を作るためのプロのこだわりは完成品を見ることがさらに感じることができるものと思う。

他にも模試を終えた高校3年の女子寮生とちょっとだけバドミントンをしたり、自転車のチェーンが外れたと困っていた寮生のチェーンの直し方を教えながらすぐに直すと、びっくりされたりと土曜日らしい、比較的穏やかな日で終わるかと思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。

ある部活動の生徒が学校外で練習するとかで、上級生が下級生を連れて行ってくれたはずが、いくつか行き違いが起こり、終バスで全員が帰ってこなかった。急きょ連絡をとると、行き先を聞いたのに、違う電車を教えられ、引き返して富山駅の一つ隣の稲荷町駅にいるとのことで、バスではなく、最終の電車で帰るとのことだった。では、駅まで迎えに行くから、月岡駅でみんな待っているように伝えたが、駅で待っていても最終電車から寮生はだれも降りて来ず、上級生のスマホは既に充電が切れており、下級生のiPadも残り5分ほどで制限がかかり連絡ができなくなる直前で、なんとか連絡がとれ、なぜか終点の岩峅寺駅にいることがわかった。あと数分、判断が遅れていたら、寮生の所在が分からなくなるところだった。何度も乗り間違えるのも不可思議だが、もし、あと数分連絡が遅れていたら、どうしたのだろうか?と嫌な汗も流れたが、加えて、富山駅にカバンを忘れてきたとか、岩峅寺駅に上着を置いてきたとか、付録もついてきた。

唯一の救いは上級生がずっと下級生と一緒にいてくれたことで、下級生も「頼もしい」先輩と一緒にいたので、何度乗り間違えても安心できたのかもしれない。
だけど、前代未聞だし、この乗り間違えの繰り返しは未だに信じ難い。