寮長のまなざし㉑中間考査前の景色
公開:2025/5/11更新:2025/5/11
中間考査の直前の土曜日。意外と静かな一日だった。考査前は勉強に意識が行く生徒が多いためか、寮内もあまりソワソワしていない雰囲気である。
とはいっても、昼過ぎにはガス漏れ警報器が何度も鳴り、担当の方に見ていただくと、調理場の感知器に水がかかったことで、断線したのが原因で、機器を替えることで解消した。警報といえば、寮に赴任して、数日しか経っていない昼間に、一人で仕事をしていると、けたたましく火災報知器が鳴ったことがあった。警報器の止め方もわからなければ、火災の発生場所の見方もわからず、放送のかけ方もまだ知らないのに、なぜこんなことが起こるんだとあちこち走り回ったが、何も対処ができなかった。実は、学校で防火避難訓練があったため、寮の警報器も鳴ったのだが、想像以上のいい訓練となった。火事でなくて良かった。
夕方、学校の自習室の施錠のために高校棟へ行くと、高校棟の玄関の前で踊り狂っている一団がいた。よく見ると、高3の女子寮生だったので、「何を踊り狂っているの?」と聞くと、今はやりの動画の真似をして遊んでいたそうだ。指揮の練習をしていたとも言っていたが。一日ずっと勉強した束の間の休息だったらしいが…。中間考査前だけど。
レストランの食事内容について担当の方と意見交換したいと寮生がアンケートを取りたいと言ってきて、1時間ほどでアンケートを作ってくれた。そのスピード感が大したものだと思っていたが、中間考査前だから、選択肢型の短い時間で応えられる内容にしてあった。中間考査前だから。
駅前に学習塾へ行った寮生が、1000円札がないとバスに乗れないとかで、コンビニで買い物をしてバスに乗ろうとすると、乗り遅れ、学校行きの終バスに乗れなくなってしまった。高額紙幣ではバスに乗れないというのも驚きだが、何とか同級生と駅で出会い、無事に電車で月岡駅まで来ることができた。中間考査前なので。
夜の学習時間も休憩や終了になった途端、ダッシュで中学1年生が部屋から出て行った。学習よりもスマホに夢中な年頃かと思うが、高校生が鬼気迫る感じで学習しているのを感じ取ってくれればいいのにと思う。中間考査はすぐそこ。
振り返ってみれば、意外と静かな一日ではなく、所々騒がしい一日であった。明日は一日勉強会だから、今日より静かな一日になるのかな。中間考査目前なのになあ。