寮長のまなざし⑦24時間戦えますか

公開:2025/4/27更新:2025/4/27

40歳になったときに、今後は歳を取るのを止めようと決めた。だから、今年は40歳になって17年目である。40歳のままだと体が疲れなくていいと思っていたが、流石に17年目の40歳にはこのところの生活からダメージを受けている。

私はバブル世代でもあるので、リゲインのCMで「黄色と黒は勇気のしるし、24時間戦えますか~」というのが、時折リフレインする。

昨日は夜勤だったため、寮内の見回りをすると、消灯後にもかかわらず、ある寮生の部屋のドアが開いたままで、電気は煌々と点いていた。窓も開いたままで、風が入り込んでカーテンを揺らしているのに、部屋にいるはずの寮生がいない。見回りをしたのが深夜の0時50分だったので、寮内は静まっており、一部屋ずつ心当たりの部屋を開けて確認するにはずいぶん遅くなってしまっていた。騒いでいる部屋があれば、確認できるのだが、騒がしい部屋もない。念のため、風呂や、ランドリー、窓の外などを確認するが、見当たらない。まるでちょっと出かけてそのまま帰ってこなくなった様子だが、消灯後に他の寮生の部屋に行くのは寮則違反のため、入り口に鍵をかけ、「気づいたらすぐ受付に来るように」と貼り紙を張って、朝の6時まで受付で待っていたが、いっこうに現れなかった。あとで聞くと、先輩の部屋で勉強を教えてもらっていたら、そのまま寝てしまって、朝になったとのことで、事故などに巻き込まれていなかったので、ひと安心だったが、当該寮生にはきつく指導することとなった。

そんな話を学校ですると、ある教員は「私がいた大学の寮は、消灯時間に部屋の前に並んで、点呼でハイと答えたら、部屋に入って就寝だった」と言っていた。昭和でなく、戦前でないのと思ったが、今の学生寮でそれをやるという誘惑に駆られるが、実際に行なったら、3日で寮生がいなくなるのではないだろうか。

いずれにせよ、17年目の40歳にとっては、「24時間戦いたくはない」のが心境です。